不惑で上京

★不惑で上京

リストラ解雇された後に、東京で再就職したブラック企業を退社した後に、実家に戻らされた田舎者の独り言。

舞台『現代狂言VIII』千秋楽@国立能楽堂を観劇。沢山笑った。

国立能楽堂。


現代狂言VIII
 http://gendaikyogen.jp/
狂言
 http://yorozukyogen.jp/tools/performance.html
国立能楽堂
 http://www.ntj.jac.go.jp/schedule/nou/2012/1598.html

今日は暖かだった。

千秋楽なのでネタバレしてもいいと思うが
眠いので、明日以降に入力したい。


朝はお洗濯や、昨日持ち帰った残業をゴシゴシ。

お昼から出かける。


国立能楽堂の最寄駅・千駄ヶ谷駅
週末ヒロイン・ももいろクローバーZのコンサート@国立競技場で大混雑。
http://www.jpnsport.go.jp/kokuritu/event/tabid/57/Default.aspx

同じ”国立”ということでナンチャンも冒頭の挨拶で
ももクロのファンは居ませんか?」と「つかみ」に使っていた。
まさかナンチャンが総武線で来たとは思わないので
予め情報を仕入れていたのだろうな。


開場10分前ぐらいに着。

思いの外、黒山の人だかり。

振り向けばNTTドコモ代々木ビル。

いい天気。


開場。


堂内は本番中でなければ撮影可。
フェスティバルホールザ・シンフォニーホール
サンシャイン劇場等は全館ホール内は
撮影禁止だったので意外だった。


正面席の端。

密かに小躍りする空間。

正面席。

関係者席もこのアングル。

中正面席。

国技館の土俵は柱がなく吊っているが
こちらは同様に屋内でも柱がある。

脇正面席。

もはや正面でも何でもない。

座席はそれなりの狭さだが可もなく不可も無く。
舞台中の移動は基本ありえないものね。
クッションはよかった。


字幕システムは動いていなかった。
http://www.ntj.jac.go.jp/nou/caption_system.html


ナンチャンが前説で「日本一長い」と説明していた橋掛かり。

贅沢な気分。


今日の出し物のことを「番組」と言うそうな。

パンフレットにはそんな感じでタイトルが付けられていた。


お食事(ランチタイム)
私は初めて来たので予め済ませていたが
慣れた人は、場内の食堂や、持ち込んだ食糧をベンチで食らっていた。
(持ち込みOKなんだ!)
今では珍しい冷水器もあった。

服装
老若男女を問わず和装もチラホラ見られた。
(恐らくは狂言の観劇が趣味の方と思われる)
さすがにTシャツ姿は居なかったが、ジーンズは半分ぐらい。
ガッツリ古典でないので気楽な格好でもよかった様子。
私は父譲りのジャケットにスラックスで、完全に休日のおっさん。
(父が着られないので母から譲り受けたのよ)

コインロッカーは1回10円と良心的な激安で
コートと鞄を預けて、楽に感激することができた。


●ご挨拶
今やお昼の顔・南原清隆さんが”前説”。
先ほどの「ももクロ」話で掴んで、噛まずに(笑)説明。
お客さんの属性をみる挙手アンケートで
生で私(ナンチャン)を見たのは7割5分ぐらい
現代狂言を初めて来たのは5割ぐらい
と言ってた。

ということは、このシリーズのリピーターが多いのね。
半分は既存客・固定客だもの。

そうそう
1ベルは鳴ったが、本ベルは無かった。
「演者が出て来たら始まり、引っ込んだら終わり」と説明してた。
幕・緞帳が無く、ナンチャンもスッと出て来た。
加えて
拍手は自主性にお任せと言ってた。
私は皆さんに釣られてパチパチしたクチで、少し難易度が高かったが
現代劇でのそれと考えれば、それほど難しくも無かった。

「難しいと思わずチケット代ぶんは笑って帰って」と言ってたように
A席5,000円+発見手数料分は、充分に元が取れた。
(先行発売で取ったが前寄りでもリングサイド等でもなかった・・・)

ナンチャンの着物姿で
懐かしく『ウリナリ狂言部』を思い出しつつも
舞台上でのあらゆる所作が驚くほど美しく
嘗てのハプニング王・南原清隆の真骨頂、ここに在り!と思ったほど。
(↑褒めてます念のため)



●古典狂言「口真似」
野村万蔵先生(先生でいいの?)が主人だが
ドロンズ石本さんが主人のモノマネをしての主役で
お客の佐藤弘道おにいさんをもてなす、というコント。
まさにコント。
古文表現でやや理解できない所があったものの
言いたいことは十分に伝わった。

ひろみちおにいさんは、MBS毎日放送ちちんぷいぷい』で見てて
本物が目の前に居て少し感動した。
石本さんと二人とも、クックッと角を取って曲がる所作がカッコイイ。

黒い着物の人が、途中で切戸口から入って来て、出て行った。
ウリナリ狂言部』でも、チューヤンの「魚説法」時に
野村万之丞先生が座っていたようにね。


古典の3人が橋を渡って舞台裏に下がったら
間髪置かずに次のコントに入った。


●コント「告白」
まさに現代劇の学園ドラマ。
恥ずかしがり屋の男子が、様々なアドバイスを「真似して」告白するという
先の「口真似」と共通する下地には脱帽。
ラウンドワン押しが面白かった。

やたらと出演者が多い集団演技。
残念ながら余り存じ上げない役者ばかりだが
編集に頼らない生の笑いは楽しかった。
皆さん現代狂言が長いのね。

マドンナ役・川村ゆきえさんのセーラー服姿が
(グラビアアイドルのお仕事は良く知らないのだが)
いい意味で、妙に艶めかしかった。



<休憩>
ぐるっと一周してみた。
関係者席に、オクラホマ河野真也君っぽい人が座っていた。
気のせいかな。



現代狂言新作「アリとキリギリスとカミキリムシ」
アリ社会という大企業の社長・女王アリと
昆虫世界のフリーター・キリギリスを通じ
効率化を追求する現代社会へ疑問を投げかける衝撃の問題作(笑)

内容自体は「良くある話」だが
古典の言い回しを違和感なく現代に置き換えていた感じ。

エニシ、エニシと言ってたのは「縁」。

女王アリとキリギリスの立場を逆転させる力を持つ
カミキリムシ役の遠野なぎこさんの演技が
もう圧倒的で、野村万蔵先生を喰わんばかりの勢い。

そして、大カミキリムシとして松坂慶子さんが堂々の特別友情出演。
千秋楽のみのスペシャルゲスト。
意外とたっぱがあって、オーラもあって、目立ってたのはさすが。

アリたちの「アントしたことか!」など小ネタも良かった。
しかし、触覚の演技が、どことなくカサカサっぽく、悪寒が・・・。

ひろみちお兄さんだけでなく、若手俳優・芸人陣も含めた
2〜3分はあったかな、大立ち回りが上手に回っていた。
(先生の無茶ぶりに苦戦していたのはご愛嬌)

ナンチャンはヴァイオリンをキリギリスっぽく披露。
周りのお客さん曰く『ヒルナンデス』の曲だった様子。
(私は見たことないので知らないの申し訳ない)
主役と思うが全体に控え目な所がナンチャンっぽかった。

若女王役の川村ゆきえさんが可愛かった。
セーラー服よりも和装(姫様の出で立ち)の方が似合っていた
というと失礼かな。

「働きアリ(社員)が居ないと女王アリ(社長)は食えない」
「ムダも大事(失敗の許容)」
「できない自分を許してあげる(他人と比べて卑下しない)」
「目の前の事を一生懸命やる(不断の努力)」
「下手はこれからいっぱい上手になれる(明日への希望)」
(順不同。覚えている範囲)
など、将来に不安で肩身の狭い生活を送る観客(私)へのエールの数々。


音楽は当然ながらカラオケでなく生演奏。
古典からジャズ風、アフリカンやインド風味まで
異国情緒も溢れるあらゆる音楽でも楽しめた。
カホンが椅子にも使われるなど何気に演技に参加させる脚本の気配り。

最後は強烈なリズムで大団円。
全員が橋から引っ込んだ後
幕の向こう側からキャストの安堵の声が漏れ聞こえた。
本当は聞こえてはいけないのだろうが、これも現代狂言かな。



終演。
キャスト総出演のカーテンコールは名物らしい。
8年間で100公演、5万人を数えたとか。
ご挨拶の後は、演者が客席を練り歩くサービス旺盛ぶり。
(歌謡ショー、ディナーショーのように)
ナンチャンや弘道兄さんは、通路直近のお客さんの相手で
手一杯の様子だったが
川村ゆきえさんは、奥の席の私にまで手を伸ばして握手してくれた〜♪
なので、ファンになろうと決意した(笑)
 ↑
おっさん気持ち悪いな。

”芸能人”と握手したのは初めてかも〜♪
(昨年末の宮川彬良さんは”音楽家”)


予定より15〜20分ぐらい押したのかな。
楽しかった。
東京には友達がいないし、最近会社の雰囲気が面白くないし
本当に久しぶりに笑った。


初舞台で千秋楽の松坂慶子さんが出演したことも
「東京ならでは」なんだろうな。


関西人時代、もう何年前か忘れたが大阪公演は
土壇場で仕事が入って逃していたので
数年越しの観劇実現となった。



この生活の終わりも近いと思うと残念だなー。
身から出た錆とはいえ。