不惑で上京

★不惑で上京

リストラ解雇された後に、東京で再就職したブラック企業を退社した後に、実家に戻らされた田舎者の独り言。

『思い出のマーニー』観た。泣けた。監督には悪いが「大人向け」な気がした。

マーニー。


2020/4/3/金曜ロードショーでアクセス多くて驚いた汗
はてなダイアリーの自動変換なのでメッチャ読みにくいなあ...


http://marnie.jp/index.html
http://hlo.tohotheater.jp/net/movie/TNPI3060J01.do?sakuhin_cd=010995

冷房のタイマーが切れると目が覚めるような
色々と寝苦しい夜だった。
熱帯夜だったの?


作品を小馬鹿にするネットニュースの見出しも含め
できるだけ情報を入れず劇場へ。
ってか
鉄道・公共交通機関を止める馬鹿を許すなっての。
「大切なひと」に間に合わなかった。
http://www.yourepeat.com/watch/?v=K2PT9PcGz9Y


偶然に目にする自称プロ映画評論家の意見も「で?」程度が多数。
ネット住民レベルの駄文で、とりあえず叩いとけ、という感じ。
スポ聞・やワイドショー並みの虚言で金が稼げるいい商売。
素人映画ファンの方が具体的・建設的な指摘が見られる。


あと
なぜか日本だけ爆発的な人気らしい『アナと雪の女王』と関連付けて
マスゴミは”ダブルヒロイン枠”に押し込めようとしているが
2作品が連携して企画した形跡は微塵もないようなので
何言ってるんだお前?状態。

アナ雪、かなり面白かったそうだが、私は今回のディズニーの絵柄が
好みではなかったこともあり遠慮した。




有楽町の「スカラ座」へ。
正直、拍子抜けの客入り。大目に見積もっても50人ってところ。

スタジオジブリ」のブランドというより
宮崎駿」という名前で、みんな観てたんだなと再認識。


実に勿体無い。


平成のジブリ、私は『コクリコ坂から』から入ったので
(昭和の名作『風の谷のナウシカ』と『天空の城ラピュタ』は
 近所に映画館が無く”公民館”で観たw)
「駿信者」でもなく「駿以外アレルギー」も無い。

これは、ジブリ作品を観るのに助かっている。



感想はぼちぼち。
誰も見ないが一応ネタバレ注意。




wikipediaは「削除の方針」で消えかかっていた。


全体の感想
 米林監督は「子供のための作品」を目指したというが
 子供にはハードルが高いと思ったのは正直な所。

 「私は私が嫌い」は、大人は「わかるわー」という感じだろうが
 子供は余りに当事者過ぎて、逆に厳しいのかなと。

 全体が夢物語と言うと身も蓋も無いが
 (原作はアンナのモノローグ(独白)らしいし。)
 子供が「信じた者に裏切られても許す心の広さ」を学ぶには
 少し難しいものの、いい教材になるかもね。
  ↑
 こんな人生、実際はヤだけどさ。




佐々木杏奈(高月彩良
 ダブルヒロインの片方。
 確かに「良く倒れていた」が、いい所で療養できてよかった。
 療養に向かう特急(スーパーおおぞら号?)の描写が精密で良かった。
 しかも”旅のお供のみかん”という芸の細かい演出。
 (↑そこ違うでしょ(笑))

 冒頭のクラスメートも言ってる「普通」は、私も使う言葉だが
 今時の表現でいえば”同調圧力の強い”言葉かな。
 各映画誌で解説されていたように
 今時の悩み多き乙女を象徴する言葉かもしれない。

 曇り空が多かったのは、杏奈の心境を表現していたとか。
 私も何度か北海道に行ったけれど
 確かに、あんまりスカッと晴れた感じはないね。
 ジブリ作品は、基本的にいい天気が多い印象なので
 これも新境地かなと思ったり。
 (イギリスが湿っぽい国ということもあるのかな?)

 湿地の鳥は鴨?

 夢の中とはいえ飲酒した場面は、PTAや文部科学省から抗議が来るのでは?

 湿っ地屋敷へ手漕ぎボートで接近し、船着き場で転覆しかかった時に
 ガシっと岸壁を鷲掴みしたアクションは、本作で数少ない激しい動きで見入った。
 杏奈の中にある無意識の中の本気を感じたの。

 マーニー家のパーティで花売りとして参加させられ
 挙句に大勢の客から御代を渡される場面は
 母子家庭への養育支援費受け取りの疑念が根底にあったのね。

 そして、ひと騒動あるごとに、杏奈は存在を忘れられるかような描写・展開で
 本当に主人公なのか?と心配になる話の進み方に戸惑った。

 助けを求めたマーニーのために恐怖のサイロで獅子奮迅の活躍も
 気が付けば男と逃げたマーニーに激高しつつ、最後は許した。
 「大きだから」という理由で。
 杏奈が、裏切られても負けない強さを持ったということらしいが
 一歩間違うとトラウマで引きこもりになるスレスレの体験。

 「大き」だが、『コクリコ坂から』で海ちゃんが
 徳丸理事長にカルチェラタンを保存したい理由を尋ねられ答えた言葉でもあり
 色々と応用の効く言葉だなと。

 このマーニーと彼氏は、自分を捨てた(事故死した)両親のイメージだったかな。
 「私を一人にしやがって!」とかなり怒ってた。
 でき婚で産み落とされた杏奈は、施設に引き取られ、祖母に育てられた設定は
 原作通りなのかな。
 ジブリ屈指の不幸な育成環境に涙を禁じ得ない。

 そうそう、映画誌のどれかに書いてあったが、水の描写が凄い。
 ジブリの背景美術は毎回特筆だが、洪水で全滅したポニョに負けてないと思った。
 うわっ!と水圧が重そうに見えた。

 何度か泣く場面があったが、ジブリ泣きというのかな
 サツキちゃんや加代さんのように「うわーん!」と泣く場面は無かった。
 大粒というか奔流な落涙ではあったが、杏奈もマーニーも喋り倒しており
 泣くことは、本流ではなく、あくまでもエッセンスという程度に見えた。

 最後の札幌に帰る場面は、スカッと晴れていないくて、やはり若干の曇天だったと思うが
 実際どうだったかな?

 <声の出演>
 世間は「棒」と罵倒しているのだろうか?
 私はまったく違和感なく受け入れられたし「許す」の演技は抜群だった。



マーニー(有村架純
 ダブルヒロインの片割れ。
 男と逃げたのに「許せ」と乞う、すさまじい毒女。(冗談ですよ)
 金髪の容姿を駿監督は、なんやかんやと文句を言ったらしいが。

 サイロでいじめに遭った設定は、JAや農林水産業から抗議が来るのでは?
 パーティでタバコをモクモクする場面は、禁煙団体から抗議が来るのでは?

 杏奈に漕ぎ方を指導する場面など、幾つかネットがザワついた所は
 監督が狙う”密着感”を随所に表現した結果かな。
 マーニーは、周囲を遠ざける杏奈の壁を軽々と越える存在、なのよね。
 違うか?

 あと、あのタイタニックポーズは、サービスなのかな。

 杏奈と秘密を分かち合ったが、サイロではカズヒコを取った。
 杏奈を裏切った挙句、杏奈に許しを請う展開に衝撃だった。
 これは杏奈の心の広さ(広くなった)を表現したのかな。
 (これはこれでありがちな展開らしいが)

 杏奈に、幸せか否かを問うていたと思ったが記憶違いかな。
 マーニーの言う幸せの基準が分からなくて残念だった。


 <声の出演>
 これもどうなんだろ?
 若春子は微塵も見せず、しっかりマーニーだったと思う。
 (ん、まあ、本物のマーニー知らんけどw)


佐々木頼子(松嶋菜々子
 杏奈の母親だが「おばちゃん」と言われてて不思議だった。
 ここは予習しておくべきと思ったポイント。
 最後の辺りで全部、関係を「喋りで」説明してくれたけど。
 んで
 札幌に戻る時に杏奈が、久子に頼子を紹介する時に(だったかな?)
 「母です」と言って、思わずポロッとしたの(笑)
  ↑
 ダメなオッサンだな(笑)

 マーニーと頼子の関係が、まだ理解できてない。
 要するにマーニー家から頼子家への養子ってことでいいの?


大岩清正(寺島進
大岩セツ(根岸季衣
 主人は木工職人らしくコロポックルっぽいの作ってた。
 奥さんは杏奈に「友達の作り方」や「トマトの作り方」を教えていた。
 夫妻は、村の子供とは異色の杏奈の言動を心配しているようで実際は
 スイカを切ったままほったらかしの描写もあり”輪の外”っぽく見えた。

 杏奈が荷物を置く時に、机に何等か掘ったような絵があった。
 見逃したことだけ覚えている。しまった・・・。


久子(黒木瞳
 杏奈と同じく屋敷を描く貴婦人。
 マーニーと知り合い。年齢的には釣り合うか。
 ということは杏奈のことも知ってて、知らないふりをしてたということだった?
 ちゃんと予習していないから肝心な所、覚えてないの。


さやか(杉咲花
 声はスターダストの女優さんなのね。
 原作に居るのかな?
 マーニーの日記の最後を見つけて物語を急転回させる役割。
 杏奈が友達になれたと唯一思える存在かな。


信子(?)
 杏奈に「ふとっちょぶた」と言われてもカチンとしただけで
 「これで終わり」と済ませる、デキた子。
 友達になれたかは”分からない”存在だったかな。



監督・・・米林宏昌
 なぜか髭をたくわえていたが似合わないね。
 今回の監督就任に当たり奥様は何らかの抗議はしなかったのかしら。

脚本・・・丹羽圭子・米林宏昌安藤雅司
 二羽さんは『アリエッティ』『コクリコ』でも担当したスーパー編集者の印象。
 鈴木敏夫プロデューサーとも腐れ縁だっだっけ?

作画監督・・・安藤雅司
 過去にジブリと喧嘩別れしたらしい凄腕アニメーターだとか。
 脚本にも参加してるのね。多才。

美術監督・・・種田陽平
 三谷幸喜監督の『ステキな金縛り』は観た。
 随分と有名な方らしいが、もともとジブリの美術は天下一品なので
 逆に実写っぽくなく(当たり前だが)意外だった。

音楽・・・村松崇継
 15歳で自分の将来を決したのか、凄いな。
 そっと寄り添う感じの素敵な曲の数々だったよ。

主題歌・・・プリシラ・アーン
 前作『アリエッティ』と同じく異国の歌手を起用。
 いい感じだった。サントラ買うよ。



劇中「アルハンブラの思い出」が随所に出てくる。
クラシックとはいえ著作権・版権的には新しいので、まだお金がかかると思うが
3拍子のリズムが、幻想的な画と相まって素敵だった。
学生時代にギターで練習した、私にとって思い出深い曲でもある。


エンドクレジット(スタッフロール)は、名場面集というか。
アリエッティ』は離れ、『コクリコ』は広小路さんの絵、1枚で押し通したので
やはり最後まで色々な絵で楽しませてほしいものだと思った。


・・・長いな。