最近いい記事を書くようになったと思うようになったリアルサウンドの記事。
音楽ライブやフェス、3度目の緊急事態宣言で迫られる開催判断 積み重ねてきた感染者ゼロの実績 - Real Sound|リアルサウンド
2021.04.25 06:00 文=むらたかもめ
2020年は音楽業界及びエンタメ業界にとって冬の時代だった。過去最悪な事態と言っても過言ではない。それぐらいに新型コロナウイルスの影響は直撃していた。
多くのライブが中止や延期になった。公演が開催された場合も密を避けるため、客席の収容人数は最大キャパの50%以下にするよう協力を求められ、ほとんどの公演がそれに従っている。かつて当然に開催されたライブの形が成立しなくなってしまった。
ぴあ総研は、集客エンタメ産業における、新型コロナ禍によるダメージの最新データを公表している(※1)。音楽産業の売上消失額は特に大きい。2020年2月から2021年1月の1年間の市場規模は前年から88%減。演劇や映画など他のエンタメ業界を超える損失割合だ。
特に音楽フェスの市場規模は大打撃を受けている。前年の330億円から97.9%減(323.1億円減)の6.9億円、総動員数も同295万人から96.8%減(285.7万人減)の9.3万人(※2)。毎年全国で行なわれたフェスのほぼ全てが中止、あるいは無観客での配信ライブにシフトした形となった。
それでも少しずつライブは開催され始めている。昨年末にはTHE YELLOW MONKEYが東京ドーム公演で約2万人を収容し、感染者を出さずに公演を成功させた。最近では9mm Parabellum BulletがLINE CUBE SHIBUYAで着席時のキャパシティ100%でのライブを行った。こちらも会場からの感染者は報告されていない。感染者ゼロの実績を積み重ね、少しずつ元に戻るために前進している。
1年以上もの間、観客はマスク着用を徹底し、公演中に声を出すこともない。検温や消毒をしてから入場している。密を避けるために余裕を持った入場/規制退場を行う場合がほとんどだが、ほぼ全ての観客が協力している。運営は徹底的に感染症対策を行い、観客はそれに素直に従っている。
2020年3月にライブハウスからクラスターが発生した。しかしそれ以降、ライブ会場でのクラスターは報告されていない。「ライブ会場は危険ではない」と結果を持って伝えるために、音楽を愛する全員が一丸となって感染症対策を徹底しているからだ。
本日4月25日から3度目の緊急事態宣言が発令された。今回は東京、大阪、兵庫、京都。大規模なイベントは原則として無観客にするよう要請が出された。コンサートプロモーターズ協会では、来場予定の観客への周知が徹底できないことや無観客での配信ライブの準備が不可能であるとし、25日の公演に関しては全国各地で95公演、一都二府一県(東京、大阪、京都、兵庫)にて34公演が開催予定であることを発表している(※3)。一方で、宣言地域を中心に中止や延期を決めたコンサートやイベントも出てきている。4月30日から5月2日まで宮城にて開催される予定だった『ARABAKI ROCK FEST.』は24日に中止を発表した。「感染者を出さずに安全であることを結果で示そう」と運営が努力し観客は協力し、対策を徹底してきたことは評価されなかった。ライブへの風評被害や偏見が今も存在するということだろう。
サカナクションやKANA-BOONが所属するHIPLAND MUSIC CORPORATIONの野村達矢氏は自身のTwitterで、緊急事態宣言解除以降ライブ・コンサートの場からコロナ感染者の報告が0であることを伝えている。
(ツイート)
感染症対策を徹底したことが結果として表れているのだ。また市場の8割以上を失ったライブエンタメ産業は、厳しい現状であることを当事者の立場から赤裸々に語っている。実際にコロナの影響で閉店したライブハウスや、解散したバンドやアイドルも少なくはない。失業した関係者もいるはずだ。
ライブも音楽フェスも誰もの生活に必要なものではない。しかしそこで働き収入を得ている人にとっては必要で人生に関わる大切なものだ。他の業種と同じように世の中に必要な仕事である。音楽によって心の健康を保っている人もたくさんいる。コロナに感染せず健康な体でいることは最重要ではあるが、心の健康も大切なはずだ。
人の流れを止めることや密集しないことは感染症対策において重要だろう。絶対的にライブ会場が安全とは言い切れない。しかしラッシュ時の電車よりもソーシャルディスタンスが保たれている会場で、誰も喋らずに静かに観るライブやコンサートが、他の場所と比べて特段に危険なのだろうか。それについては疑問を感じる。
この1年間で感染者を出さずにライブは開催できた。ライブ会場だから危険というわけではないことは、結果で証明してきたはずだ。イベントを開催することが絶対的な正解ではないかもしれない。中止にすることへのメリットもあるかもしれない。しかし危険性についてはイメージではなく結果を見て判断してほしい。
(※1)https://corporate.pia.jp/news/detail_covid-19_damage210224.html
(※2)https://corporate.pia.jp/news/detail_live_enta20210416_fes.html
(※3)https://www.acpc.or.jp/activity/newcoronavirus/news20210423.php■むらたかもめ
オトニッチというファン目線で音楽を深読みし考察する音楽雑記ブログの運営者。出身はピエール瀧と同じ静岡県。移住地はピエール中野と同じ埼玉県。ロックとポップスとアイドルをメインに文章を書く人。
ブログ:https://www.ongakunojouhou.com/
Twitter:https://twitter.com/houroukamome121
「社会生活の維持に必要なもの」として政府が「産業を選別」しようとして
私の知っているネット界隈は反発が凄かった。
私も「ふざけるな」と思った。
ももクロさんも、これまで幾つか有観客ライブ・イベントを開催して
クラスターは発生していないので、MSRSはしっかりファンも受け止めている。
昨年同様に大型連休の期間は、連日配信をしてくれるようだが
配信に切り替えができない音楽家・音楽関係者は少なくない・多いよね。
ヒャダインさんのツイート経由で知ったが
お膝元の東京で、政府や都のやり方に対する反乱が起きて痛快だった。
賛否あるでしょうがエンターテインメントを「社会生活の維持に必要なもの」とする考え方に概ね同意です。
— ヒャダイン こと 前山田健一 (@HyadainMaeyamad) 2021年4月24日
https://t.co/ZHnztwU9cA
寄席、無観客応じない決断 「社会生活に必要なもの」 [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル
井上秀樹、佐藤美鈴2021年4月24日 23時36分
座席を空けて興行する浅草演芸ホール=2020年6月
25日に4都府県に出される緊急事態宣言を受けて、東京都内に四つある寄席は、客数を定員の半数以下に減らして通常通り興行をすることを明らかにした。都から無観客での開催を要請されたが、例外規定である「社会生活の維持に必要なもの」に該当すると判断したという。
都内の寄席は昨年6月以降に定席を再開後、場内の換気をするため、休憩を増やしたほか、フェースガードをつけて高座に上がる漫才師もいるなどの対策をとってきたという。興行を続ける理由について、浅草演芸ホールは、都からの無観客開催の要請文に「社会生活の維持に必要なものを除く」とあると指摘したうえで、「(落語や漫才などの)大衆娯楽である寄席は『必要なもの』に該当すると判断した」と説明する。
映画館も、「休業要請」を受けた大手シネコンの多くは25日からの営業休止を発表する一方、「協力依頼」の対象となったミニシアターの一部は入場を制限するなどして営業を継続する。
東京・渋谷のミニシアター「ユーロスペース」は25日から入場できる座席数を半分にして継続する。支配人の北條誠人さんは「心の準備もできていなかった。(休業の)『協力』というあいまいな形のしんどさがある。しかも休んだとしても協力金は1日2万円。香典のつもりか」と嘆いた。(井上秀樹、佐藤美鈴)
この「香典のつもりか」も含め
怒りの中にユーモアがあってセンスいいなあと思った。
その他
★お知らせ
— 末広亭 (@suehirotei) 2021年4月24日
明日からの興行ですが、関係各所とも協議した結果、感染対策を維持しつつ興行を行う事と致しました。昔からの伝統芸能で今も尚 途絶えずに伝わっていると言う事は、社会生活の維持に必要なものであると解釈しております。(但し今後の状況次第で何か変更ある場合は改めてお知らせ致します)
良くも悪くも真面目な人は、こういうのを「ルール違反」と思って
顔を真っ赤にして怒るのだろうが、そういう人は生き辛い時代だと思う。
宣言初日でも、東京ドームは客を入れて開催していた。
2021年4月25日 読売ジャイアンツvs.広島東洋カープ - プロ野球 - スポーツナビ
観客数 15,345人
裏で中継していた阪神戦は、バックネット裏の3人連れがマスクを外していたが
こっちの中継では、皆さんお行儀よくマスクをして静かに観戦していた。
コロナ禍で禁じられている「コール・アンド・レスポンス」のあるライブと異なり
伝統芸能はずーっと「静かに傾聴する」という、楽しみ方の違いはあるが
「人が集まること」では同じ。
それは「会社」も「学校」も「電車」も同じなんだよね。
オリンピックの聖火リレーは継続していて、国民には我慢を強いていることや
科学的な証拠に基づかない「お願い」・自粛しても損失を補償をしない「要請」に
ネット住民、ツイッター民は怒っている。
そりゃ、緊急事態宣言と言われても、言うこと聞かないよね。
諸外国でも国民のコントロールに苦労しているようだが
日本のように旅行業界に便宜を図るような政治的な意図があるのか知らんけど
不用意に緩和して感染爆発させて慌ててロックダウンを繰り返す感じ。
どの国も、学と証拠に根差した政策を取れていないのかな。
そもそも、国民が自国の政府を信用していないもかもね。
今、この時代に働いている人は大変だ。
頭が下がる。
本当なら私も、今月内で社会復帰だったのだけど、縁が無かったというか
間が悪かったというか、自己責任で、無職が続いている。
やれやれ・・・。
★