不惑で上京

★不惑で上京

リストラ解雇された後に、東京で再就職したブラック企業を退社した後に、実家に戻らされた田舎者の独り言。

『ぶどうのなみだ』観た。独りで生きるって辛いぞ、と思わせる何か。

ぶどうのなみだ。


http://budo-namida.asmik-ace.co.jp/
http://lmaga.jp/blog/news/2014/10/budononamida.html
http://pucchi.net/hokkaido/funlog/201408budounonamida.php
http://eiga.com/movie/79199/
http://www.excite.co.jp/News/reviewmov/20141001/E1412106777340.html
http://cinema.pia.co.jp/news/164273/59403/
http://cineref.com/report/2014/09/post-169.html
やふー
http://natalie.mu/music/news/129674
http://www.youtube.com/watch?v=rY18LgJhG5A


一応3連休だが、いつも通り早起き。
毎日30分〜1.5時間の無給早出の出勤なので慣れた。

雨でしたな。
先日の連続台風襲来など、今年の観光産業は大打撃でないか心配。



2週連続の錦糸町
少しは予習して行けばいいのに、主役の3人以外はノーマーク。
(公式サイトの予告映像も見ずに行った)

上映直前に劇場に入ったが、お客さんの入りは上々。
最終的に7割ほどは埋まっていたと思う。
(さすが「毎月1日の安い日」)

カップルが目立った。「映画を観る」は、まだデートコースの様子。
単身の女子(大昔の女子を含む)の多くは、大泉洋さんの子猫ちゃんか。
子連れにはキツい内容だが、ファミリー層も結構いた。
私の様な単身のおっさんも意外と居た。


しかし、これ、
三島有紀子監督・脚本の前作『しあわせのパン』もそうだが
独り者が観たら自殺しそうな(←褒め言葉ですよ)ほどの「人のつながり」が強い。

いやまあね、
映画やテレビも、基本は”ヒューマンドラマ”・”愛”属性なのだろうが
求職期間中に『しあわせのパン』を観て
あー結婚したい(笑)、うー働かせて下さい(笑)と思ったし
自己のメンタルの強弱を推し量って作品を選ばないといかんなと思った。


今、ちょっと凹んでる。



誰も読まないと思うが、一応、ネタバレ注意。



例によってwikipediaに書いてあるキャスト。




薄っぺらい感想。
 『しあわせのパン』もそうなのだが、この人たち、どうやって食ってるのかな。

 ひと財産を稼いだ人しか出て来ないような脚本には、モヤモヤするのだが
 そういうリアリティを求めるのは、別の人の映画を観ればよいワケで
 そこを考察し突っ込むのは、ナンセンスだなと、自己嫌悪。

 北海道・空知の絶景・四季・空気感・飲食物を味合う作品。
 スコープサイズとあるが、シネコスというサイズ? とにかく横長で凄くイイよ。

 あと、前作同様に、北海道産の飲食物が空腹感を誘う。
 効果音が作り物とか、後でスタッフが美味しく云々とか関係なく
 皆と・仲間と、乾杯・食事するキャストに、思わず嫉妬するほど楽しげ。

 ワインは荒地の方が良く育つらしい。
 蕎麦みたい。なので甲州ワインとか有名なのかな。

 アオとロクの小屋を見て「北海道なのに、二重窓でない」と思ったのは
 『思い出のマーニー』に毒され過ぎ。



アオ(大泉洋
 ”青”と書いてアオ。
 『しあわせのパン』では役柄が静か過ぎて「役者みたい!」と勘違いしたが
 (いやいや本業は役者さんだよね。面白いのは、芸人という役を演じている)
 本作は、大泉さんの持つ気性の荒い部分を全面に押し出した感じ。
 (褒めてます念のため)
 よく怒り、イラつき、『青天の霹靂』のような鬱陶しそうな表情が良かった。
 冒頭しばらく、ろくに会話の無い展開。

 有能な指揮者だった音楽青年に襲った突発性難聴で、故郷に戻ってワイン作り。
 耳が聞こえない時の過激な演技もそうだし
 望み通り美味しくならないブドウの味や、その土壌を食べる行為もそうだし
 ストイックを通り越して、狂ってると言ってよい程。

 なんやかんやあって最終的にエリカとくっつく。
 最初は雨粒で、あ、ここ笑ってエンディングなんだ・・・と思ったら
 ギュッと抱き合って、お子様には見せられないような熱烈な接吻
 くっそ(笑)

 唯一、父が植えたというぶどうの木は、結構な大木で、特にシルエットが印象的。
 最後にアオが蓄音器を持ち込みSPレコードをかけたのも、印象的な画。
 意固地をやめ、村人に謝り、父に対峙する、いい場面。
 眉間の皺も無くなり、ようやく大泉さんの柔らかい表情が味わえる。

 肝心の「ワイン(ぶどう)」に拘る理由を忘れた。
 何を観に行ったのは本末転倒な心意気。
 最後の最後に、周囲が納得する味を作り出すというサクセスストーリー。
 (そこまで”成功”とまでは言ってないけどね)

 アオ鼓笛隊(脇を固めるキャストの音楽隊ね)を最初は厳しく叱責したが
 昔の自分を思っての狼藉。謝罪し、最後は笑顔で率いてハッピーエンド。
 今回は、北の大地の風景と食事に加え、音楽も大事なエッセンス。

 「土くさいワイン」は、褒め言葉。



ロク(染谷将太
 ”緑”と書いてロク。
 私は『ALWAYS 三丁目の夕日’64』のケンジ役で知った。
 若手実力派俳優さんだとかで、ようやく別の役を観ることができて嬉しかった。
 兄と異なり、「麦」に拘る。
 パンを焼く場面のウマそうな撮り方は『しあわせのパン』で実証済み。

 兄の才能に嫉妬し、トロフィーなど音楽の表彰を捨てた張本人だとか。
 後悔・自責の念から喧嘩相手をし続けたのかもね。
 (川底から拾い上げたのは父。アオは誤解したまま数年間を過ごしたワケ)

 そのトロフィー等を仕舞ってある家具の鍵を、朝食と共に差し出したが
 思わず、兄に愛想を尽かして出て行くのか?と心配になった。
 今思えば、あんなチャチな鍵では玄関扉は施錠できないんだけどね。
 
 荒れる兄を健気に支える。何か弱みでも握られているのか?と心配するほど。
 父の葬儀に出なかったのは許していないようだが
 家族で暮らした土地に戻ったことに関しては許しているように見えた。

 ワイン嫌いを自称していたが、最後に兄のワイン飲んでみる、できた子。
 自分的に満足の役柄。



エリカ(安藤裕子
 ヒロイン。
 特に横顔が素敵にキレイ。(正面から見ても美しいよ)
 木村文乃さんを大人にしたっぽい。

 アンモナイトを探して全国を放浪する謎の女。
 作業着でなくワンピースにワークパンツという謎の出で立ち。
 天を仰ぎ、雨に打たれ、雨が大嫌いだと泣く。
 泣き顔が美しい女性に嘘は無い。

 牽引したキャンピングトレーラーには、風呂は無かったよね?
 泥まみれで穴を掘るのに、乙女の身だしなみが・・・。
 ま、風呂が無かったので、アオが自宅に誘う口実ができたワケで
 風呂上りの、それっぽい感じがよかった。
 なんやかんやあって最終的にアオとくっつく。

 露天掘りというか穴の高さ(深さ)は結構あったと思うが
 労働安全衛生法では、掘削深さが何m以上だと矢板が必要だったかな
 http://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/sai_det.aspx?joho_no=100786
 とか思って途中から気になって仕方なかった職業病。

 エリカは”荒地”でなく”荒地に咲く花”(だったかな?)
 捨てられた母に再会した時の花がそれだよね。
 大昔に行ったスキー場の小屋(ペンション)に同様の名前があったと思う。

 「欲しい物は手に入らない」と言ってた、欲しい物って何?



アサヒさん(田口トモロヲ
 警官というか駐在さんかな、アオが謝罪に訪問したのは一戸建てぽかった。
 制服が英国風に見えた。ピストルがデカい。
 『探偵はBARにいる』シリーズの敏腕記者役で、<俺>との掛け合いの妙を味わったが
 今回はアオに進むべき道を示した重要な役割。(だったよね?)
 アオやロクの父を知っていることから、10年ぐらい人事異動していない様子。
 アオ鼓笛隊ではラッパを担当。


月折さん(前野朋哉
 初見と思う。
 『しあわせのパン』でも郵便屋さん居たね。同様にエリカの所に入り浸る。
 そして同様に制服がオリジナル。
 エリカの意志(封筒)をアオに届ける。どこで手渡されたのかな。
 アオ鼓笛隊では太鼓を担当。



リリさん(りりィ)
 初見と思う。
 アオ鼓笛隊ではギターを担当。
 イラついたアオに演奏を叱責された時の
 さすが役者さん!というしょげた表情は秀逸だった。
 最後にまさかのゴールイン。



ミウラ(きたろう)
 「バーバーミウラ」という床屋さん。
 (カミソリを使っていたので美容院ではないよね)
 映るだけで笑われる損な印象だが、緩急という意味では大事なキャスティング。
 アオが来店する時は、町の自慢だった指揮者の記事を隠してあげる。
 (本人に怒られるからね)
 最後にまさかのご婚礼。



アオとロクの父親(大杉漣
 ほぼ、写真と、白黒ぽいイメージ映像的な出演。
 あとワインの木に擬態。
 かつて空知は炭鉱の町で、その炭鉱夫だった。
 「黒いダイヤ」だった石炭。ヤマが閉山し、畑作業に転職したのね。

 アオはぶどうを黒いダイヤにしようと躍起になっている。
 ロクにとっては麦が「金のダイヤ」かな。(←そんなこと言ってないけど)
 (↑ゴールドなのかダイヤモンドなのかワケわからんし)

 父は8年前に他界したが、アオは葬儀に出なかったそうな。
 そのことを弟にも、住民にも、終始、責められ続けた。
 アオは自分の才能を否定した父と向かい合っていたのかな。



エリカの母親(江波杏子
 サスペンス女優さんのようで「見たことあるけど・・・」という感じ。
 『カーネーション』出てた?
 娘にアンモナイトを教える変わり者。血は争えない。

 小高い丘の上にある教会?か何かの偉い人になっていたようで
 娘の要請に応えて出資した。
 (現金でなく樽を贈るあたりエリカのセンスの良さ?)

 この教会?から見下ろした、花壇越しの、青空と都市の風景は一瞬だが良かった。
 青空・ぶどう畑・麦畑のみで押し通す作中、唯一?都市が映る対比。
 (アオが発症する時にも都市が映るけど、あくまでも風景)

 娘を捨てた理由が語られなかったが、私が忘れちゃったのかな?
 『しあわせのパン』でも、未久ちゃん(八木優希)は母に捨てられたが
 三島監督は、幼少の頃、母に何等かトラウマがあるのかな。



青年時代のアオ(小関裕太
 若かりし頃の大泉さん、こんなにカッコよかったの?(笑)
 土臭い仕事を嫌ったが結局、親父の後を継いだ。


少年時代のロク(内川蓮生)
 家を出る兄を泣きながら止める所が、一番の泣きポイント。
 かわいい坊やだが、役者さんとしてしっかりしているのだろうな。


少女時代のエリカ(高嶋琴羽)
 英国風の丘の上で、家を捨てた母を探している場面で
 「この後、絶対転ぶって」と思いつつも、本当に転んだ時に思わず
 「アッ」と声が漏れ、随分と入り込んでいるなと恥ずかしかった。



犬(バベット)
毛がモコモコの大型犬。
番犬だが芸達者。
エリカのことが気に入った様子で、ご主人様の言うことはどこ吹く風。
『パン』では山羊(大橋のぞみ)だったね。



まとめ。
『パン』でもそうだったが
有るがままを素直に受け入れ、できる範囲のことをする、と、いいことありそう。
そんな感じの映画。

好き嫌いがバキッと分かれる『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズが好きなこともあり
フィクション・ファンタジーというには余りに語彙が乏しいが
私は、こういう作り方の、ふわっと、ほっこりする映画が、好きだ。

在り来たりなのだが、一人では生きて行けない。
それが、親子なのか、兄弟なのか、恋人なのか、隣人なのか
知らんけど。


そう思うと、東京で今、一人で生きている私には、結構辛かったが
とりあえず友人は2人(多分)いるので、まあ何とかなるかな。
(金は無心しない)






思い出したら、ぼちぼち書く。


http://www.cinemacafe.net/article/2014/09/20/26106.html
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141108-00000009-wordleaf-ent