不惑で上京

★不惑で上京

リストラ解雇された後に、東京で再就職したブラック企業を退社した後に、実家に戻らされた田舎者の独り言。

『思い出のマーニー』2回目を観た。米林宏昌監督の思いは届いていた♪

http://marnie.jp/index.html
http://hlo.tohotheater.jp/net/movie/TNPI3060J01.do?sakuhin_cd=010995

前回は一か月ほど前のスカラ座
http://d.hatena.ne.jp/fuwakudejokyo/20140726/p1

今回は『青天の霹靂』以来の日本橋
http://d.hatena.ne.jp/fuwakudejokyo/20140614/p1

http://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2014/0228_01/index.html

中央通りの地下にこんな立派な「日本橋地下歩道」あるの知らなかった。
http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/toukoku_00000104.html
http://www.kajima.co.jp/news/digest/nov_2005/tokushu/toku01.htm


今日の客入りも、決して満員御礼ではなかったが
やや前方に座っていた子供たち(高校生かな?)の
2組のカップル(仲良し4人組みかな?)が物凄く真剣に鑑賞し
終演後に「泣いてたね」「お前もな」と言い合うなど
本作が、世界を変える作品にはならないかもしれないが
監督の『子どものための作品』の思いは
http://marnie.jp/message/index.html
充分に伝わっていたと実感した。

立ち聞き(盗み聞き)のような形で申し訳なかったが
心の奥底に「嫌な思い出」として封印されていた祖母の記憶が
おばあちゃんの幽霊(笑)によって
 ↑
成仏できないマーニーの魂?
少しずつ解かれ、最後に邂逅を果たす
”のようなこと”を、出口に歩きながら語り合っていて
似非映画ファンの私よりも、ズーッと読み解く能力が高いなと関心したの。


まあ更に前方にお座りのお子様たちは
完全に「?」が浮かんでいる様子で
無言のまま、ママの待つロビーへ歩を進めていた。
内容が内容だけに、こればかりは仕方ないわな。

前回から今回までに、映画雑誌を4〜5紙を調達し
『熱風』や公式の出版物等も順次入手。
幾つか放送されたテレビ特番はお盆期間に見倒した。
若干のミステリー仕立ての展開は
(原作も謎解き要素だとか)
お子様には少し怖い雰囲気もある。


スタイリッシュな大人のカップ
その筋のヲタクっぽい風貌の単身中年パラパラ
お姉さん数人組などなど
合わせて30人ぐらいだったかな
前回スカラ座では、エンドクレジットで退出したオバサンが居たが
今日は誰も立ち上がらず、いい鑑賞環境だった。


感想は後程。


杏奈の住む小規模共同住宅は”なんとなく”だが
特別協賛アイフルホームちっくなアパートに見えた。

杏奈はマーニーに「もらいっ子」の秘密を話す時に
「団地」と言ってたが
そんなに沢山建っていたかな?

杏奈とマーニーの秘密の明かし合いは
自我が芽生え、隣の芝生は青く見えるようになる多感な年頃かな。
私は親でないので、良く分からないが。


大岩さんとこで荷物を机に置く場面の落書きは
魔女の宅急便』のジジとリリーさんっぽかった。

時代設定としては携帯電話が普及する前だったかな。
頼子が忍ばせた葉書が50円切手だったので
平成6年(1994)以降ではある様子。
 ↑
杏奈の両親が事故死した後の押し付け合いで
親族の誰かがケータイ使ってたよね?


メインタイトルの入り方が抜群。
バックの音楽も鳥肌。
2回目なので絵(画)以外も入ってくる。


北の大地を駆ける「スーパーおおぞら号」がキチンと振り子していた。
(ように見えた)
ジブリの描画の底力を見た。


何かと鍵となる郵便局で信子とランデブーしそうになって
慌てて海岸に駆け降りる安奈の転倒では
天空の城ラピュタ』のパズーが転んだのを思い出したが
杏奈のそれはドリフ顔負けのリアクションで1回転してズッコケた。

セツに同行して信子宅に提灯を持参した時の
大人の会話に飽き飽きする”足癖の悪さ”の描写に唸った。

砂浜を歩く場面は、足跡が欲しかった。


無口な十一のボートに乗り、湿っ地屋敷を描いていた場面は
大岩家との対面できちんと挨拶をしていたこともあり
杏奈が単なるコミュ障でなく、お願い事を頼める子と説得力があった。


久子はマーニーとマブダチだったそうだが
杏奈に会った時に「あっ」と思わなかったということは
祖母の幼い頃とは似ていない(隔世遺伝的なあれ)のかな。
そして
「私、久子」「杏奈です」だったかな
やけに自己紹介がアメリカンだなと思った。
そして
風が吹いても飛ばない久子のハット。


ふとっちょぶたの夜祭りの場面子供が多く”昔感”があった。
私は第二次ベビーブーム世代であり
バカみたいに子供つまり自分たち世代は多かったので
土曜夜市的イベントの懐かしい頃を思い出した。
あと、ハロウィンみたくお菓子くれという文化もあるのね。
さすが多文化が生き残る北海道。

で、ぶた発言の後に逃亡して、海岸で嗚咽する杏奈の
落涙の描写に、今回も度肝を抜かれたさ。
米林監督もスタッフさんも、お子様がいることで
日常で泣き方を観察できるからかな。


ダブルヒロインの片割れ、マーニーの登場は三日月だった。
月夜のダンスでも半月に至ってなかったと思うが満月だった。
最後の「許してあげる」でサーッと雷雲が去った時は満月だった。
 ↑
夜が明けたので勘違い。

杏奈がセツさんに散髪してもらったタイミングで
祖母(マーニー)から譲り受けた髪留めを着けたっけな?
衣裳も次々と変わるし、使い回し感がないのは映画ならでは。
この髪留めも祖母を思い出す鍵。(か?)


彩香は第三のヒロイン。
好奇心が旺盛なので次々と「マーニーの謎」を説いて行く。
原作もアンナの疑問を解く人がいるのかな。


マーニーは、友を裏切り男を取った鬼畜外道だが
杏奈が「許せない程に怒ったけれど、懇願されやっぱり許す」展開は
心の広さを持ちましょうというオリエンタルな発想に見えたが
原作もそうなのかな。
ここで杏奈が流す涙は
男に持って行かれた悔しさなのか
秘密を分かち合った友に裏切られた悲しさなのか
許せと言われる≒必要とされる嬉しさなのか
絵コンテに答えが書いてあるのかな?



毎回話題の一角を担うジブリメシは(←一翼だと思う)
大岩家、マーニーとのピクニック、マーニー家のパーティと多彩で
どれも美味しそうだった。
トマトのヘタを包丁の手元で切り落とす場面の動きも自然。


主な登場人物の声の出演は
職業声優でなく俳優さんを起用しているが
それを把握してもなお、まったく違和感は無かった。
特に最後の「おばあちゃん・・・(泣)」は必聴。
アルハンブラの思い出と相まって、震える。
そして知ってても泣く
 ↑
だめな四十代だなまったく(笑)


隠れテーマ曲「アルハンブラの思い出」はスペインの作品で
映画の原作は有名なイギリスの児童文学で
舞台は北海道と、3か国共演。
アメリカン自己紹介を入れると4か国共演か?)



ダブルヒロインとはいえ、題名にもなっているように
やはりマーニーの方がメイン級の立ち位置なのかな?
私は杏奈の方に思い入れがある。
出自も波瀾万丈だし今時の若者は大変だな〜って。
(完全におっさんの感想)
ほれ、マーニーは裏切り者の人でなしでもあるし。
(お化けだから人じゃないんだけど)
とはいえ「杏奈ちゃん可愛い♪」とか言うと
お巡りさん的な話になるので
めんどくさい世の中。




そうそう、この映画館、隣の部屋の重低音がこっちにも響くし
ロビーで騒ぐ客の声も聞こえるし
建物自体は新しいけれど
劇場としての基礎体力はダメ過ぎで萎えた。


映画撮影に協力的な東葉高速鉄道
http://d.hatena.ne.jp/fuwakudejokyo/20130831/p3


ためになるサイトのメモ。
http://osha-kimi.com/anime/marnie02/