不惑で上京

★不惑で上京

リストラ解雇された後に、東京で再就職したブラック企業を退社した後に、実家に戻らされた田舎者の独り言。

被服支廠のパブコメ結果が明らかに。

にわかに慌ただしくなってきた「被服支廠」の処遇。 

 

「意見公募」「意見募集」「パブリックコメント」色々言い方があるね。

定まっていないのは、行政が納税者の意見を聞く歴史が浅いからか。

 

被服支廠 | 中国新聞デジタル

被服支廠、3棟保存61・1%占める 広島県実施の意見公募結果

2020/2/3

 広島県は3日、旧陸軍被服支廠で実施した意見公募の結果をまとめた。県が持つ3棟の扱いについて自由意見欄などを分析したところ、3棟保存が61・1%を占め、一部の解体を容認する35・8%を上回った。県が「2棟解体、1棟の外観保存」とした安全対策の原案への賛否は、反対62・2%、賛成31・9%だった。

 1月16日までの1カ月間に協力した延べ2444人の意見を分析した。3棟保存を求めたのは1494人。住所別で答えた割合をみると、広島市52・6%、広島市を除く県内55・4%で、県外は90・0%に上った。年代別は60代が69・8%で最も高く、50代が65・5%で続く。最低は20代の52・8%だった。

 3棟のうち一部の解体を容認したのは35・8%の874人。内訳を全体に占める割合で見ると、1棟保存が30・2%の739人、3棟解体が5・3%の129人、2棟保存が0・2%の6人となった。

 その他は3・1%の76人。「県の方針に従う」「寄付を集めて可能な限り残してほしい」「市に譲渡してはどうか」などの記述が該当するという。

 今後の活用の在り方も、選択肢を示して複数回答で尋ねた。県の原案の賛否別で見た場合、反対者の上位二つは「耐震改修をして、平和学習の場などとして活用する」(71・1%)、「耐震改修をして、観光資源として活用できるようにする」(55・0%)だった。

 県財産管理課によると、選択肢の回答や記述欄の内容が一言一句同じ意見が計361人分あり、「同一人物が繰り返し記入した可能性が高い」として集計から除いた。(村田拓也)

 

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解体賛成派からの余計な疑義を挟ませない点で

コピペの意見を取り除いたのは当たり前だけれどエラいね。

・・・そのコピペ、賛成反対どちらだったのかな?

 

 

広島県の公式サイトの検索窓では出て来ない。

トップページ >記者発表資料 >令和2年2月の記者発表資料 - 記者発表資料 | 広島県

旧広島陸軍被服支廠の安全対策等の対応方針に係る意見募集について(報告).pdf

 

1ページ

「4 結果」

 賛成_____779(  32%)
 反対____1,520( 62%)
 その他____145(  6%)
 計______2,444(100%)

賛否=1:2と「解体やむなし」の多さが際立つ。

 

「5 回答の動向」で

初日からの「解体賛成」の勢いが「解体反対」を上回るスタートダッシュ

お正月を挟んで各社の報道や、見学会、知事の割と他人事な会見で

「反対」の勢いが増してラストスパート、最終コーナーでぶっちぎった形。 

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2ページ

2,000票以上の自由記入欄の再集計がんばってるなあ。

(県庁職員直営でなく、どこかの事業者が受託したのだろうけど)

多分3,000通ぐらいのアンケートを集計分析した時は

泣きながらやってたの思い出した(笑)

 

県外の「3棟保存」圧倒は想定の範囲内だろうが

広島市内在住」「県内在住」の賛否拮抗というのは

県庁職員や広島市の市長・職員はどう思ってるだろ?

 

3ページ

「県内は1棟保存」と「県外は全棟保存」でパキッと割れてて

広島の「背負わされる期待」と「負担に対する受益の見えなさ」が

あるのかなと思った。

ただ

「県外」の「前から知っていた」「最近知った」が半々なのに対して

「県内」は8割が「前から知っていた」とあるように

知っていたけど朽ちるに任せていた、県庁と県民の共犯関係が見えるね。

反核反戦平和ではお腹が満たされない現実。

 

4ページ

「県内」で「行ったことがある」が45%も居たの驚いた。

決して交通至便の立地ではないが、足を運んだ理由が知りたい。

その人が「総務事務所等の所管区域」のどこに住んでいるか興味ある。

https://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/215796.gif

https://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/215796.gif

「県外」の「インターネットで調べた」は

全国ニュースになったのだろうか?

この世界の片隅に』の有志によるツイッターでの訴えや

NHKが取材した片渕須直監督の現地視察の記事も関係もあるのかな。

元記事はもう消されていた

 

5ページ

「県内で行ったことある」は3棟保存、「県内で行ったことない」は1棟保存

 これは分かる。足を運ぶ興味、見てなおダメだと判断した逡巡、ありそう。

「県外で行ったことある」「県外で行ったことない」ともに3棟保存では

県民の解体容認派の中に「余所者が!」と不満が噴出するのも分かる。

まちづくりと人「よそ者」「若者」「ばか者」 | Office-Hiro(気ままにまちづくり)

昔の仕事は第三者として関与していたので

県内外の意識の差が顕在化した今回のパブコメは、やってよかったと思った。

県の平和教育が「実はそう浸透している訳ではない」という結果が見えた点で。

 (県内在住者の全員が平和教育を受けた訳でもないけどね)

失われた20年や消費税増税など、おまんま食い上げは切実。

 

6ページ

調査票の中身を失念したが「県内」は地域が分からなかったっけ?

東部(福山市など)や北部(庄原市など)は、ほぼ関係ない話だが

西部(竹原、東広島、安芸高田の以西)で反対が多いのなら

反核反戦への投資(広報・教育)が、失敗とはさすがに言わんけど

成果として見えないなあ、というのはあるかもね。

「国際平和拠点ひろしま」広島県民とはいえ、無い袖は振れない。

 

7ページ

より戦争に近い人が「3棟保存」、より若い人が「解体やむなし」で

経済格差の象徴である「バブル世代/就職氷河期世代」で分かれていたりして(笑)

「イマナマ」の街頭インタビューで、若者2組ほどだったと思うが

顔が出るのに保存は不要と言ってたのは、結構リアルだったんだよね。

票数が3桁で足りているのか統計学上の話はあるだろうが

積極的に意見する人のリアルな声として

県の将来を背負うことになる若者の概ね過半(49~62%)は

老朽化したとはいえ被爆建物の保存に理解ができないという点は

知事の判断に影響を与えるよね。

「こんな県もうヤダ」と出て行かれては県の経営面で打撃。

 

8ページ

「よく考えよう、お金は大事だよ」

 

9ページ

利用する方向なら、周辺住民の声を公式に聞けっての。

その点、全然報道が無いけど、しないまま突き進むのかな?

後で必ず反動が出るよ。

 

10ページ

「武士は食わねど高楊枝」

片渕監督もご指摘されていたように「失ったら取り戻せない」ので

未来の広島人に対して、現在の広島人が贈る・残すものという位置付け。

要するに最後はお金なんだけどね。 

 

11ページ

9ページと同じ。

というか少なくとも観光施設じゃないと思うなあ。

アーキウォーク広島の高田代表は維持費の捻出も兼ねて

ホテルなどを提唱されていたが

先日の京アニの放火事件での跡地利用策ではないが

不特定多数の人が、特定の狭い地域に日常的に出入りするのは

地域住民にとって少なくない不安要素と思うので

(全国各地で民泊による生活環境・体感治安の悪化もあるし)

うまく話が進むといいなと思った。

都心部とはいえなかなか静かな住宅地で

現在事業中の道路(霞庚午線pdf)が開通したら分からないけど

美味しそうなお好み焼き屋で談笑してる若者も居たし

知る人ぞ知るエリアとして共存できたらいいなあと思った。

 

12ページ

検討を重ねてきた委員からすれば「知らんわ」という話だろうが

ただの老朽建物でなく「被爆建物」であり

広島市の登録」もされている点で、周知不足だった面は否めないかもね。

 

恐らく「関係者」県・市・国は「お金がない」では合意形成しているので

押し付け合いになる前にさっさと「無かったことにしよう」の思惑は

あったかもしれない。

 

知事の論である「お金が無いから壊す」は

県政の最高経営責任者として極めて現実的と思うが

自治体はお金儲けをする組織ではない。実際問題できないし)

余りにも情けないという感情は、あるよね。

人間だもの。

 

4号棟の所有者の国は、解体を先走ると非難の的なので

「県が壊すまで待つ」という消極的保存(ただの放置)という感じだね。

 

広島市も、サカスタで実績を築いた「ふるさと納税」を提案したら

所有者でもないのに責任を押し付けられると思ってか

「まずは県が」と突っ撥ねたし、共闘する気は、さらさら無い様子。

 

クラウドファンディングで何十億円も集まるとは思わないが

仮に1号棟のみ保存・他は解体となっても

幾らか集まれば、それだけ税金の投入額を減らせるので

「なぜ募金しなかったのだろうか?」と思われても仕方ない検討経過。

 

13ページ

国民は、限られた税金を何に使うか

被爆」が「売り物」の広島(市・県)にあって、お金が無いから

被爆建物を壊す」という選択せざるを得ない、矛盾を抱えてるよね。

 

 

見てきた私は

「できれば残して欲しい。近代建築が好き」

 (説明できないけどレンガ壁の連なる景観は地域固有の資産)

「未来人の選択を今の人が奪うのは確かに間違っている」

 (軍都広島の生き証人)

原爆ドームを残して被服支廠を残さない理由が不明瞭」

 (所有者が市と県の違いは置いといて。置いとけないけど)

「しかし、そんなにお金は出せないので、どっちでもいいかな」

 (通学路なので若い世代が除却を求めるのは理解する)

「できれば4棟外観保存、できなければ1号棟内外とも保存」

 (内部は鉄骨などで支え永久保存。原爆ドームと同じ)

という感じ。

((すごく他人任せw))

 

どれだけ税金を投入しても古いので自ずと保存に限度はある訳で

地震で壊れた時の被害を思うと、安易に残せとは言えない。

間近で見ると、レンガの外観が威風堂々としててイイ!

けれど「地震で壊れたら・・・」と分かる程の近距離の威圧感。 

 

 

ロマンでメシは食えないが

ロマンが無いと生きる意味がないとも思う。

  

保存反対派と保存賛成派とは

このロマンの点で永遠に分かり合えないだろうから

宇宙世紀に移行してニュータイプの開花を待つしかない。

そうなったら

老朽化で自然と崩落するだろうから知事(県)や国の思惑通りかもね。

 

 

被服支廠の壁を補強 広島県、20年度解体先送り

2020/2/4

 広島県は3日、広島市内最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」(南区)について、保有する3棟で2020年度に進める事業案を固めた。安全対策の原案に盛り込んだ「2棟解体、1棟の外観保存」の着手を先送りし、古くなった建物の倒壊を防ぐための壁面補強を進める。国、広島市と活用策を探る費用も含め、20年度一般会計当初予算案に2600万円を盛り込む方針でいる。

(以下略)

 

ヤフコメは基本的に反吐が出る愚民の溜まり場だが

少なくない国民が「残して欲しくない」と思っているのも事実で

保存運動が拡散するのは逆効果の面もあるかもね。

 

体験上の話だが、ネットは基本的にネガティブな意見が強いから。

今回の場合「解体賛成派」が攻撃的だねぇ。

 

住んでもいないのに「住民の安全が最優先」

県民・市民でもないのに「税金を無駄遣いするな」

唯一の被爆国の立ち位置を忘れ「保存希望者だけ金を出せ」

という流れを作り

「全4棟の保存から1号棟のみ」という落とし所に落ちつけるのは

実は県庁・知事の予定通りだったり。