不惑で上京

★不惑で上京

リストラ解雇された後に、東京で再就職したブラック企業を退社した後に、実家に戻らされた田舎者の独り言。

『風立ちぬ』観た。泣けるか分からないが、大人の恋はイイよ。

http://www.kazetachinu.jp/
http://hlo.tohotheater.jp/net/movie/TNPI3060J01.do?sakuhin_cd=010131
http://www.cinematoday.jp/page/A0003770


一応、ネタバレ注意。



まだ他の方の感想・批判等は拝読していないので
記憶違いはあるだろうが
自分用のメモ。

できるだけ情報を入れないようにしていたので
宮崎駿監督の『モデルグラフィックス』の漫画が原点というの
さっきググってwikipediaで初めて知った。

例の青い「スタジオジブリ作品」画面の次に『かぐや姫の物語』のCM。
http://kaguyahime-monogatari.jp/
しかも姫がエラいワイルド。


終演後、そこかしこから
「そらぁ〜にぃ〜あこぉ〜がぁ〜れぇ〜てぇ〜♪」と
「いやーわからん・・・」が聞こえた。


男の子が主人公なのは『天空の城ラピュタ』以来だとか。
そう言われれば、その間は女の子が主人公。


堀越二郎庵野秀明
 近眼メガネの主人公に親近感を覚えた。
 ちゃんと礼をする襟の立った挙動は時代性かな。
 里見邸に急ぐ姿はジブリ走りだったけど。
 不器用だが一途。病気の人を愛せるかと問われたら私は難しいと思う。
 (いや私にはもう一生縁のない話だから関係ないか)
 喀血した菜穂子の元に駆け付ける時の落涙で少しウルッと来たw
 声の出演。 
 1発目のセリフで「え?」と思ったが
 2時間経つとコレが不思議で、庵野監督でないとダメになる。
 自称アニメ玄人が「棒演技」と罵倒する所が癖になると、ジブリファン。


里見菜穂子(瀧本美織
 美人薄命。
 ドラマチックレインの”雨感”が凄くてセリフが飛んだが
 軽井沢で再会した時の涙声で少しウルッと来たw
 結核って経口感染するの?
 (飛沫感染・空気感染するから当たり前か)
 結核って耐寒訓練したら治るの?
 声の出演。 
 瀧本さん上手。私は好きだな。可愛いし。
 21歳なら「来て」の意味も分かろうが、随分と大人な仕上がりで
 キスシーンもふんだんにあって、ドキドキした(笑)


本庄(西島秀俊
 二郎のライバルらしい。
 アバンギャルドって久々に聞いた単語。
 ドイツ語が堪能で、視察先でも現地人とやりあっていた。
 ブルーレイディスクでは、ぜひ字幕を付けてほしい。


里見(風間杜夫
 二郎の突然の申し出もにも応じる菜穂子の父。
 曰く「男は仕事してナンボ」らしい。
 昨年の私が見ていたら自害してたかもね。
 

二郎の母(竹下景子
 『コクリコ坂から』の海ちゃんの祖母・花さん。
 二郎が幼少期の頃は出番があったが、その後は減ったのが残念。


堀越加代(志田未来
 アリエッティ
 幼少期から常に兄思い。
 兄貴は航空エンジニアで妹は医者・・・どんだけ優秀な家計か。 
 成人した美しさとは裏腹に、菜穂子を想っての号泣(ジブリ泣き)は
 となりのトトロのサツキだった。


カストルプ(スティーブン・アルパート)
 ピアノが弾ける不思議で謎のイタリア人。
 軽井沢が避暑地だからバカンスに来ていたのかな。
 クレソン(ジブリメシ)をむさぼる。 
 喫煙は、室外のテラス(ウッドデッキ)でたしなむ。 
 軽井沢の出会いで接着剤のようだったが結局、何者という感じ?


服部(國村隼
 二郎の会社の課長さん。
 現場の熱い議論を眺めて「愉快」と言える技術系の上司らしい。
 現代にこんな上司はいないだろな。
 特高に狙われる二郎の身の危険を、会社の力で抑えようと尽力してた。
 (のは黒川だったっけ?)


黒川(西村雅彦)
 二郎のグループの班長さんらしい。
 意地悪そうに見えて特高にマークされた二郎を匿うなど、実はいい人。
 現代にこんな上司はいないだろな。
 二郎と菜穂子の結婚をエゴイズムと言い切ったが
 話の流れで仲人になって、口上で噛んだw

 
黒川夫人(大竹しのぶ
 班長の奥さん。
 菜穂子の門出を演出し、大事にしてくれた人。
 菜穂子の最期を止めようとした加代を制した、できた人。


カプローニ(野村萬斎
 二郎の夢に出てくる謎のイタリアン。
 実在の人物で、世界的に著名な飛行機製作者らしい。
 落ちる飛行機しか作らないという印象が残ったが大丈夫か?
 男が力を出せる期限は10年らしい。
 私は賞味期限が切れた・・・。



話題のキスシーン。
 何回やったか覚えてないが駿監督も、ラブシーン描けるやんって思った。
 モーニング娘。の歌に『恋のABC』という名曲があるが
 前評判とは裏腹に、Aだけだったw

 いずみ包さんが解説していたが本作は
 駿監督の作品の常道「出会って即両想い」ではない、は分かった。
 再会は突然だが、年数をかけて温めた大人の恋。
 (と言うとやっぱり陳腐だな)
 かつ
 現在進行形で終了した感じ。

 それでも、菜穂子の危機を察知した二郎のニュータイプ的な感覚は
 他の作品でも見られるところか。


美術
 CMで見たかな、夜が明ける場面に感嘆した。
 幾つかCGっぽい所もあったが、新緑・雪景色などの季節感も凄いし
 流れ星・星空や強い雨など、あらゆる背景美術を存分に楽しめた。


効果音
 やはり人間の声なんだ。
 プロペラの回る音や関東大震災の揺れなど、生々しさがあった。
 主人公を庵野さんにしたり、音響効果さんの仕事を減らしたり。


 宮崎駿監督は、風を描かせると世界一と見聞きしたことあるが
 草の揺れや服のフワッと感だけで、風の存在が如実。


風習・風俗
 やはり布団はスッと畳むんだ。
 和装が多かったが次第に洋装が増えた感じ。
 そしてみんなハットを被っている。ナイスキャッチ♪

 あと、時代背景や監督自身が愛煙家ということもあるだろうが
 喫煙場面がやたらと多い気がした。
 色々と芝居をさせる小道具だろうが、ジブリでなかったら抗議モノかな。


機関車
 SLの車体が伸び縮みするような感じに描かれるなど
 生き物のように躍動感に溢れていた。


飛行機色々
 『コクリコ坂から』はマトモな飛翔の場面が無かったから
 ジブリファン的には「これが見たかった」だろうな。
 大型機の内外が、『紅の豚』のマンマユート団の飛行艇
 ルパン三世の「死の翼アルバトロス」の飛行艇に似てる気がした。
 勤務先の工場近傍の芝生は、滑走路部分の色が薄かった。刈り込んでいた?
 零戦がほんの一瞬。


関東大震災
 地割れが「きっとこうなんだろうな」と思わせる描写。
 地震の初期微動(P波)と主要動(S波)の動きが良く分かる。
 線路の砂利(バラスト)もカタカタと揺れていたのがリアルっぽい。
 地震の後に都電が避難者の間を動いていたが、給電されていたのかな。


ジブリメシ。
 定食のサバを上手に食べていた。
 謎のお菓子シベリヤも、若干は美味しそう。


エンドクレジット
 『コクリコ坂から』は、広小路さんの静止画だったが
 本作は名場面集だった。
 スタッフロールのフォントがべつやくフォント(手書き)風だったのが面白い。



とりあえずこんな感じ。
長い。


傑作か駄作かの論争があるようだが
戦争を美化していないし
技術者の情熱にスポットを当てたドキュメンタリーとして観れば
それほど難しくないと思うよ。