不惑で上京

★不惑で上京

リストラ解雇された後に、東京で再就職したブラック企業を退社した後に、実家に戻らされた田舎者の独り言。

『思い出のマーニー』観た(5回目)♪

絵コンテ集。


http://marnie.jp/index.html
http://hlo.tohotheater.jp/net/movie/TNPI3060J01.do?sakuhin_cd=010995

朝は美容院へ。
だいたい1か月半から2か月ごとに行ってる。
2年通い同じ美容師さんにカットしてもらい慣れたっちゃ慣れたが
相変わらず、おっさんは話題に乏しく、厳しい戦いが続く。
逆に(逆に?)
客層が変わったのか、同類項のオッサンが全然来なくなり
(私の行く時は)ナウなヤングか ババア淑女が多い。
あと
関西人時代に通った散髪屋と異なり美容院は
やや長い時間を要するので
逆算して、マーニー合うwなら行こうと思った次第。


明日は休日出勤なので、精神の均衡を図るため。


1回目
2回目
思い出のマーニー×種田陽平展
3回目
4回目
 ↑
なぜここまでハマった(ている)のか、自分でも分からん。

ダイナミックなストーリー展開なら
昨年の『風立ちぬ』の方が圧倒的に凌駕していると思うが
ジブリファンの端くれの私は
コクリコ坂から』『アリエッティ』『猫の恩返し』派(派?)という
反主流派なので、そうなのかもね。


ロマンアルバム、ビジュアルガイド、絵コンテ、ジ・アート、
フィルムコミック上下巻は入手した。
原作小説上下巻、絵本(笑)、米林宏昌画集汚れなき悪戯は、未入手。
角川新訳版はぶっ飛んでいるらしいが、まずは岩波版だな。





上映開始15分前に有楽町駅に着いたが
特に問題なく5分前には入場し鑑賞できた。


映画泥棒のグッズがあった。
http://froovie.jp/shop/c/c26044/
ちょっとお高いけれどストラップが欲しかった。


開始時点で30人は居なかったかな。
途中で何度かドアが開いたのでもう少し入ったと思うが
600人以上を収容できるスカラ座ではガラガラ。
恐らく東京では最大級の大きな部類の劇場と思うが
それでも頑なに、この箱で1日4回の上映を続ける東宝には頭が下がる。

いちジブリファンが頭を下げる意味は無いが、感謝。


上映前に流れる東宝シンデレラ山崎紘菜さんの前説で
(この子、長澤まさみさんに似てる気がする)
スクリーンを快適に見るための?「視野を120度に広げる運動」が流れ
お客さんの殆どが「イェーイ」のポーズでグリグリしていた。
(分かる人にしか分からない)
https://twitter.com/kawaaibaka/status/498036342844952577


以下、個人的な感想だが一応、ネタバレ注意。



喘息。
写生の授業で発作を起こした杏奈を
クラスメートも先生も誰も助けに行かなかった。
米林宏昌監督の演出なのか、製作時間の都合なのか
分からないが
1回目から杏奈の孤独が痛い程に伝わり
すぐに感情移入した。
(ってか、感情移入てそんな簡単ではないと思うよ)



201号室。
杏奈の住む団地の部屋、表札は「201号室」だが
杏奈が大岩家から出す葉書の宛て先は「203号室」だった。
フィルムコミックでも確認した。
NHKのドキュメンタリーで切迫した製作環境を言及していたが
スタッフの誰もが見逃した作画ミス?
それとも
杏奈の心情(所詮は親子じゃねぇし)が自然とそうさせた、という狙い?
(それにしては自著の宛て先を凝視してたけど)
そうそう
頼子も、杏奈も、字がキレイで羨ましい。
セツさんも言ってたが、手書きっていいよね。
12歳でも「親切」て書けるのね。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/syo/koku/001.htm
(「親」も「切」も2年生で習うんだ・・・)



お化け。
清正さんが三度の飯より好きという設定だが
サイロも屋敷も「老朽化が進んでるから危ないよ」ぐらいあれば
単なるお笑い要員でなく
大岩家の長としての威厳が保たれたと思うけれど
余計なお世話だな。



涙を拭う。
過去のジブリ作品は手の甲で拭うイメージだが
(あくまでもイメージ)
杏奈とマーニーは、頼子もか、指先でソッと拭うの。

皆さん、これまでのジブリとの違いを
「ヤギ」「トド」「似合うわけない」「太っちょ豚」など
悪態をつくヒロイン像について言及していたが
私はここで「あ、違うな」と思った。



作画。
さすがに5回目となると「ん?」という所が目に付く。
(それまでは、話を追いかけるので精一杯)
清正さん運転のジムニーもどき車をはじめとする動くモノは
滑らかでない箇所が幾つかあったし
階段を走る・道を駆ける・トマトを切る・オールを漕ぐなどは抜群だが
”ただ歩く”場面で「ん?」という所もあった。
アニメーションは日常芝居が最も難しいと見聞きするが
ジブリ史上屈指の”動かないジブリ”だった『コクリコ坂から』では
そこまで気にならなかった。
逆に(逆に?)
パーティの場面で、ばあやから逃げる二人の走りが
ピョンピョン撥ねるように屋敷の階段を駆け上がっており
(狙いなら→)可愛いと思えるシッカリ走っています!という描画。
ピクニックの場面で、「大岩さん?」で霧散したマーニーが
杏奈の所に走って戻って来た時は普通の走り方だったので
一定の意図で描き分けているのかと思ったの。



月夜のダンス。
杏奈の白い歯が気になる例の場面で
(ここの作画の滑らかさは衝撃的な美しさ)
足運びが上手く行かず、おっとっと・・・となった後に
マーニーがクククと笑い、杏奈も釣られて笑うが
杏奈がここまでハッキリと笑顔で笑ったの、この場面が初めてだよね。
ヒロインらしい印象的な笑顔。
(そして振り回され泥酔し路上に放置される)



マーニーの正体。
(瞳の色や祖母と孫という設定はミステリーで定番なのだとか)
麻呂監督等のインタビューや、幾つもの有益なブログでの解説もあり
「祖母の語りを杏奈の潜在意識が呼び覚ました空想」でいいのかな。
(最も唸った解説 http://osha-kimi.com/anime/marnie02/
再現映像はマーニー婆さんは頭髪がグレーだが
杏奈の妄想した若き日のマーニーは持参したお人形と容姿が酷似している
という解説に、なるほど〜と思った。

浴衣の裾が汚れていたり、クツの片方が干潟にあったり
夢・幻・妄想だけでは説明が付かない実体験もある。
マーニーと初めて出会った七夕夜は、しゃがみ込んだ浜でうたた寝して
夜のピクニックは、浜に行く途中に郵便局で行き倒れたの?
てか
杏奈は寝るの怖くないのかな。
夜な夜な見る意味不明な夢の中に心地よさを感じたからこそ
物語が展開して行ったのだが・・・。

原作には書いてあるのかな(←無いよね)
誰か教えて。



不良だわ!
角屋夫人が怒鳴り込んでいた時に咄嗟に隠れた杏奈の
「やべー」という表情が良かった。
これだけ表情が七変化するようになれば、頼子も泣くわな。
あと、この時「あの”豚”、嘘ついてやがる!」と思ったかな。



動画のお遊び。
セツさんがお皿から落下するプチトマトを箸で空中キャッチしたり
角屋夫人が大岩家のボードウォーク(木道)で転びそうになったり
絵コンテの隙間を埋める小粋なセンスに脱帽。



衣裳。
杏奈もマーニーも頻繁に衣裳が変わり、日数を経ていると分かる。
『コクリコ』では、ヒロインの海ちゃんは
宮崎駿脚本家拘りのセーラー服かピンク色の私服のみだったので
羨ましいなと思った(←何が?)
杏奈は、夜のピクニックでの襟付きブラウスがいいし
マーニーは、サイロに行くときの青いドレスがいい。
あ、この格好、杏奈の人形と同じなんだ。



マーニー不在の一週間。
雨が降った時に浜を駆けていた背後に漁師小屋が見えた。
立ち寄るような芝居があってもよかったと思ったが
朽ちた湿っ地屋敷には何度も出かけたようなので
当然ここも探したのだろうな。



彩香の部屋。
改装前からそうだと思うが「マーニーの窓」というか
母屋から塔状に突き出している部分の窓は
湾(干潟)側だけでなく、横手妻側の窓も二重窓だった。



水鳥たち。
所々に挿入される水鳥たちが干潟で餌を啄む場面が良かった。
数秒間だが、ゆったりたとした時間で緩急が冴える。



会いたかった。
マーニーが、ばあやに幽閉されていて久々に再会した時に
杏奈が言ったセリフ。
思わず駆け寄った杏奈、嬉しそうなマーニー。
画はマーニーで、絵コンテでいう「off」なのが良かった。
でも、この時は既に空想の産物だと分かっていたとか。



杏奈の祖父は?
父母は不慮の事故死で
祖母=マーニーは病死(心労・過労)だが
祖父の話題が一秒も出ないのが不思議。


マーニーの母ぇ
「じゃあね」と外出する時に待っていたのは
マーニーの父(シゲ)ではない男だった。
母が蒸発(離婚)した脚本検討上の設定は、原作にもあるのかな。



湿っ地屋敷の今昔。
キノコの話の場面では、50年前でなく現在の屋敷だった。
(屋根・外壁が改装後の明るい姿)
杏奈がマーニーと会っている時は往時の姿だったが
これは何を意味する?



サイロに行く時。
和彦と間違えて面食らっている杏奈を、彩香は見えていた。
彩香にはマーニーが見えない設定らしいが
リアル杏奈は見え、かつ、杏奈はマーニーを追いかけており
夢遊病を発症していたのかな。
雨に打たれて高熱を出したのは現実なわけで
一人でか二人でか分からないが、サイロには行ったのは事実と思うし。
こういうの理解できたらミステリー小説も面白く読めるだろう。


蝶番。
種田陽平美術監督の拘りの一つ。
扉(開き戸)のある場面では、必ず表現されていたと思う。
あと
ばあやとの追いかけっこで
鍵を拾い上げようとマーニーが体を前屈みに倒した時に
ドレスの裾を左手でちょっと引き上げていたのが印象的な演技。



許せ!許す!
とにかくよく泣くダブルヒロイン
本作の泣きポイントは、やはりココなのかな?
ともかく
高月彩良さんは17歳(アフレコ収録時は16歳)と思えない熱演。
12歳の役だが、画も、BGM(サントラ)も、”上手”テンコ盛りで
初回は追い付けなかったが、2回目以降はジーンと来る名場面。
有村架純さんは21歳、マーニーは杏奈のお姉さん的年齢設定?)
ちなみに
『コクリコ』では、ラストシーンが案外軽かったので
(文句ではない。畳み掛ける謎解きのまとめだったので)
中盤の海ちゃんと良子の差し向かいの場面で泣けた。
10回観て20回泣くぐらいw



杏奈の絵葉書。
彩香が見舞いに来たことを告げに来たセツさんの場面で
チラッと出た「おばちゃんにも見せてあげたい」の印象的な絵葉書。
セツさんが一瞬、視線を落としてコレを見つけたように見えた。
あら、少しは素直になったじゃないの、って。
(↑違うと思う)



杏奈と頼子の抱擁。
私は親でないからイマイチ以上に、親子関係は実感し辛いが
久子に紹介した「母です」は名場面。
(正確・厳密には頼子は母ではないらしいが)
http://law8.hatenablog.com/entry/2014/09/05/190000?_ga=1.35839336.937529464.1410187855
帰札後も「おばちゃん」を「母」と言うように頑張ったのかな。

実際に母でないと知ったのはいつだろうか?
施設に叩き込まれた5歳の段階で充分「親子」は理解したのかな。

頼子は授かりにくい体質だったのかな。
そもそも頼子とマーニーの関係は説明されているのかな。
赤の他人だからこそ里親里子が成立するのかな。







明日、台風が来るのか。

休日出勤、止めようかな。